素材の金属の中でも「鋳物」はまた異なった性質で光の表現が可能です。
鋳物はいわゆる鋳造でできた製品になります。
鋳造は、材料を高い温度で熱して液体にして型に流し込み、冷やして固める加工です。 鋳造の型のことを「鋳型」といいます。
型を使うことから、パターンを繰り返す図柄、デザインに向いており、また耐候性があるので外部での使用に向いています。
鋳物は、経年で色が変化し、それも味わいを深めます。
通常の金属での仕上げですと経年で変化しないよう、経年劣化を防ぐように表面処理を行います。
鋳物でもそういった色を止める処理は可能ですが、敢えて処理せず、時間の流れを感じさせる色合いの変化が鋳物の良さを引き立てます。
青銅の鋳物では、経年変化で美しい緑青となります。
そういった緑青には、時代を積み重ねた深さを感じ取ることが出来ます。
照明の光で照らされた鋳物の素材感、テクスチャーがさらに味わい深く建築空間を彩ります。
【事例】
東京大学総合図書館
設計:東京大学川添研究室
OVOL日本橋ビル(三井ガーデンホテル日本橋)
設計:竹中工務店