コロナ禍により、テレワークとオフィス勤務を併用する形の勤務形態が増加し、オフィスの存在価値が改めて問われるようになっています。そしてオフィスの「コミュニケーションを行う場」としての機能がより重要視されるようになり、快適な空間づくりにバイオフィリックデザインを利用したケースが増えています。
また、テレワークの環境づくりにもバイオフィリックデザインをに応用することにより、自宅でのテレワークをより快適に行うことが可能となります。
自然を感じる要素を取り入れる方法としてまず挙げられるのは、室内に観葉植物を置いたり、緑化壁を設置することです。植物を置いた環境は、空気が浄化され、多くの人が気持ちが和らいだり、目の疲れが軽くなったりすることを感じ、快適性が高くなります。
・こちらをご覧ください⇒照明コラム : バイオフィリックデザインと照明 – 1
木、石、竹、土、ウール、革などの天然素材を活用した製品を空間内に設置することで、自然を五感で感じられる室内空間を実現することができます。特に木は、循環型の素材としてサステナブルな社会に貢献することができる素材と言えるでしょう。
空間の中で自然を連想させる形や色彩もバイオフィリックデザインの要素として人に大きな影響を与えます。落ち着きを感じるアースカラーや自然界に見られる魅力的な色彩は、見る人に好印象を与えて、生産性を高める効果があります。
バイオフィリックデザインと照明の実例についてご紹介します。
バイオフィリックデザインと「天然素材」
木が感じられる照明実例:ICU国際基督教大学 体育館
ICUではキャンパスグランドデザインを掲げてキャンパス全体の新しい整備計画を進めています。その一環の新体育館の計画では、木を活かしたダイナミックな屋根架構が特徴的な大きな空間を持ちます。
エントランスホール、体育館、ジム、プールいずれも木の折板や架構の美しさが際立ちます。
石が感じられる照明実例:大東文化大学東松山キャンパス
多目的交流棟のバスロータリー周囲のランドスケープの階段灯です。
階段の壁は花崗岩の壁となっています。その壁には壁と同化した形でEPK特注足元灯を設置しました。
照明器具の存在を感じさせずに石壁の奥から照らすLEDの光は、歩道に伸びて足元の安全を確保すると共に石壁を仄明るく照らして石のテキスチャーの味わいを深めています。
バイオフィリックデザインと「色」
バイオフィリックデザインの色を取り入れた照明実例:Goop Headquarters Goop本社
バイオフィリックデザインの色を取り入れた照明実例:Sant Cugat offices サン・クガ オフィス
バイオフィリックデザインの色を取り入れた照明実例
バイオフィリックデザインを効果的に取り入れることは、私達のウェルビーイングを向上させ、生活をより健康的で幸福感に満ちたものとすることに繋がります。
今後、さらに研究が進むにつれて私達の快適な生活を支える要素としての重要性がより広く認識されていくことでしょう。