ホール空間は、大空間を、そのホールのアイデンティティや広く多目的に使用される目的へと、意匠的にもまた機能的にも充分に満たされる照明が必要不可欠です。様々な手法や特徴的なホールに対する照明アプローチを取っているホール空間の照明事例をご紹介します。
武蔵大学8号館記念ホール 建築設計: 内田祥哉+集工舎建築都市デザイン
photo: 集工舎建築都市デザイン
東京都練馬区にある武蔵大学の50周年記念ホールです。武蔵大学8号館の最上階に記念ホールはあります。
ホール空間の特徴は 22.5M x 27M の大空間を、PC圧着関節工法により大胆な構造で構成され、他に無い、ダイナミック且つ大変美しい建築のホール空間です、
PC圧着関節工法は、あらかじめ形成したコンクリート部材を工場生産しておき、その部材を現場で組み立てるもので、柱にあごと呼ばれる突起部分を作り、その上に梁を載せてケーブルにより一体化を図る工法です。優れた耐震性、耐久性があり、耐久建築物に適した工法です。
建築の構造と意匠が一体となった特徴あるデザインから、照明も機能性と意匠性が一体となるような照明とし、建築を引き立たせながら、多目的に使用されるホールを明るく照らす特注照明器具を製作しました。ホール空間の構造は、流れるような曲線が美しく、コンクリートのその美しい流線型のデザインを生かしながら、照明器具も長寿建築に相応しい恒久的な照明器具となるようなデザインとしています。
天井上部にはコンクリートの懐ろに6灯型のEPK特注スポットセルライトを設置し、ホール全体をハイパワーな明るい光で照らすと共に天井の構造部材を間接に照らすことにより、その形強調するようにしています。
ホール全体照明として、さらに特注アッパーダウンペンダントを吊りました。上方へまた下方へと光を放ち、空間全体を照らします。極力要素の少ないシンプルな井桁のデザインとし、器具の高さを抑え、大空間をシャープなライン構成で引き締めるような印象のものとしました。
壁面には、特注ウォッシャーアッパーライトを設置し、アーチ型の構造を根元から照らして、その形状を美しく浮き立たせるようにしました。
また、ホールは使用目的ごと、シーンごとの調光が可能となっています。講演会、式典、パーティなど調光によってホールでの様々な大学の催しものを、きめ細かく光で演出し、より充実したものとすることができます。
これらホール空間への特注照明器具は、恒久的な建築空間に相応しく、時が経っても変わらずに、建築空間を理想的に照らし続けていける器具です。ホールでの活動に光を当てながら、大学の歩みと共に、これから綴られる活動の歴史を輝かせていくことでしょう。
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