「ふらっとストリート」と名付けられた歩道橋は新4号館と新5号館を国道上で結んでいます。
この歩道橋ブリッジはキャンパス全体を繋ぐ遊歩道、ペデストリアンデッキから繋がる動線の中で重要な役割を担っている通路です。
遊歩道ブリッジは幅が広く距離が長いため、暗さや不安などマイナスの雰囲気を感じないような照明を計画しました。照度計算や実際の器具を置いての検証などを重ねて検討し、床の必要照度を確保しながら通路を指向性のある安心できる光環境としました。
照明を天井には設けず、壁の低い位置からの屋外LED間接照明のみで歩道橋を光らせています。
壁に設置したLEDリニアライトは光を斜めに照射し、ある程度のグレアカットをしながら床へ最大限の照射が伸びるようにしてあります。器具は詳細に配光角度を計算、検討し特注の金具を使用し取り付け角度を細かく調整して設置しました。
目にやさしいやわらかい光が通路全体の足元を明るく照らしています。
ユニットの継ぎ目は特注金具で配線を工夫して納めてあり、途切れない指向性のある統一された光を実現しています。
ブリッジ階段部分にはハイパワーLEDスポットライト(EPK製)を設置し、少ない照明器具数で安全な照度を確保しています。
歩道橋は目的の場所に行くための繋ぎの空間ですが、そこを通る人は様々な思いで通ります。これから行う活動のために心躍らせて歩く人や、友達と会話を楽しみながら歩く人、講義を聴き終えて多少の疲労と満足感を感じながら帰路につく人、など思いは違っても次の目的に向けての過程、繋ぎの空間として通路を利用します。
この歩道橋はそのような歩行者を、床面だけでなく、ガラスの壁や天井に反射したやわらかく温かい光で包み込むような光の通路となっています。
歩道橋ブリッジは床面が光ることにより、外から見ると灯籠のように光ります。照度確保の機能性と共にライトアップの美観性も備えている特注照明ならではの効果といえるでしょう。
安全性のある明るさと精神的に安心感や安堵感を得られる温かさを感じさせるこの歩道橋ブリッジは、人の往来を喚起する「交流の橋」としての役割を担って、これからも光り続けていくことでしょう。