ビルには街路に面して、人々を招き入れるかのように白色のルーバーで装飾されたエントランスホールが設けてあります。入口のウェルカムマットには淡い光がそそぎ、足元をやさしく照らしています。
建物全体の天井や壁、建物南側に設けたオープンスペースなどにルーバーのデザインが使われていますが、エントランスも同じくルーバーのデザインで天井、壁ともに構成されています。
外から内につながる天井に続くルーバーはアルミ製で、建物奥の壁に向けて視覚的にも心理的にも方向性を示して訪問者を導いています。突き当りの壁には和紙を使った光壁を配し、明るさを抑えたエントランスを光輝く壁に向かって歩むにつれ、これから過ごすひとときに心が高揚するような空間を生みだしています。
天井のダウンライトはEPK社製の特注アジャスタブルダウンライトで、通常のダウンライトでは難しい小さい開口部でも広い照射角度が可能なEPKの独自の技術機構をもっています。また、設置個所は光が単調にならないように器具の位置、高さをランダムに設置して画一的ではないアクセントのある光を与える照明となっています。
このヒューリックビルは伝統を大切にしながら、さらに新しい魅力溢れる街として発展していこうとしている浅草橋の「街の新しい拠点」として位置づけられています。EPKの照明器具が演出したこの光空間は、ビルの未来に向かって開かれたエントランスホールに相応しいものとなっています。